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【魔女ガミ-The Witch of Luludidea-】感想雑記

魔女ガミ-The Witch of Luludidea-
プレイしたので感想をざっくりまとめます。
ネタバレ部分は隠しますが、気になるようでしたら切断を。



記録

  • ハード:Steam

  • プレイ時間:約15.3時間(「了」まで)

  • 難易度:定番(収集要素回収時は「手軽」)


どんなゲーム?

蒼き雷霆 ガンヴォルト」シリーズなど、主に2Dアクションゲームを得意とするインティ・クリエイツの新作アクションゲームです。
30周年記念と謳われていますが、同社の過去タイトルとは特に関係はないので気にせず、単独で完結するタイトルとして楽しめます。

簡単に表すと、立ちふさがる敵を刀で斬り倒しながらゴールまで進む面クリア型の2Dアクションゲームです。


プレイ感想

アクション関連

リソース管理が重要な高速スラッシュアクション

基本的には3段斬りの近接戦闘主体として立ち回る2Dアクションです。
ただし、威力は低め。近接戦闘で被弾のリスクを取りながらも立ち回るには少々心許ない威力。最も弱い雑魚敵でも1段の攻撃では倒しきれません。

これに加えて本作の大きな特徴となるアクションが、(自動)ターゲッティングした敵に対して瞬間移動しつつ斬撃を繰り出す「セツナ」。
必中かつ一瞬で間合いを詰めつつ高威力の一撃を与える技。大抵の雑魚であれば一撃で撃破可能で、ボスなどの強力な敵と渡り合うための要となる技にもなります。
近くに別の敵がいれば自動でターゲットが移り、連続しての攻撃も可能です。
連続攻撃は気持ちいいです。エフェクトの派手さや瞬間移動による疾走感が良い感覚。

セツナはゲージを消費して繰り出す技なので便利かつ強力だからといって無暗に乱発しているとすぐにゲージが底をつきます。
通常攻撃(と一部の技)にはゲージ回復の効果があるので、そちらを使いつつ場を繋ぐ必要があります。ただ、通常攻撃にばかり寄せると今度は威力不足でダメージレースに負け、ジリ貧に追い込まれる。
ですので、通常攻撃とセツナを織り交ぜてゲージ回復&消費のサイクルを回しながら戦うのが重要になっていきます。
ここのリソース管理が本作の肝であり、難しいところ。

とはいえ、足を止めざるを得ないような厄介な雑魚敵、ギミックが無いわけでもなく。
一部の敵には攻撃を受け付ける方向(縦、横、斜め、敵によっては背後から)に制限があり、位置取りを考えなければ弾かれることに。

自機性能も通常の状態では高いわけではないので何も考えずセツナだけを振ってグイグイ進めようとするとどこかで痛い目に合うようなデザインとなっていて難易度は高めに感じました。
とはいえゲーム自体の難易度は3段階から選べる仕組み。最低の難易度であればリソース緩和だったりHP上限UP、足場の追加だったりとサポートは受けられますのでアクション不慣れな方にとっても救済はあり。

同社の「ガンヴォルト鎖環」の「雷霆煉鎖」も似たコンセプトで瞬間移動の斬撃ですが、本作は根本的なゲームデザインは異なるように感じます。

  • ガンヴォルト鎖環
    瞬間移動をガンガン振って地面に降りる暇もないくらいにスピーディーに駆け抜けるイメージ。同じくゲージ式ではありますが、瞬間移動発動時に全回復するのでリソース管理はほぼ意識不要。

  • 魔女ガミ
    通常移動をベースに、地に足つけて立ち回りつつもここぞというときに瞬間移動で駆け抜けて攻める。足を止めて対処する必要がある敵も存在。連続攻撃用に敵が良い位置に配置されたステージもありますが、すべてがそうとは限らない。

そんな雰囲気でした。

「星神」の加護:神がかり、色ナ星

前述のとおり、通常時は自機性能は低めですが、本作では味方キャラ「星神」たちの加護を受け、ステージ攻略中に自機強化を発動させます。

第一段階の「神がかり」ではセツナに使用するゲージの上限が一つ増え、空中ジャンプが追加。総じてセツナを発動させやすく、移動しやすくなる強化。
第二段階の「色ナ星」ではセツナに使用するゲージの上限がさらに一つ増えますがそれだけではなく。選んだ星神による固有アクションの追加で戦闘能力が、無限エアダッシュとジャンプの解禁で移動性能が大幅に上昇され、一気にやりたい放題なレベルまで強化されます。
ゲージも割とすぐに溜まり、色ナ星に関しては時間制限こそあれど猶予は長め。プレイフィールが一気に爽快になりますので気にせず使っていくのが吉でした。

強化発動時には歌が流れるようになり、テンションが上がります。第一段階では星神単独、第二段階では星神&主人公シロハによるデュエットと。歌としても強化されていくのが熱いポイント。

星神は3人の中から一人選んで発動する形ですので選択に迷うんじゃないかと思われますが、そのステージで優位に立てる性能の星神が自分で名乗りを上げてくれます。(選択メニューオープン時のデフォルトカーソル位置もその星神になる仕組み)
ですのでステージ攻略中に選択に迷って思考をそちらに取られて阻害される、なんてことはなくスムーズに進めるようになるので親切さを感じました。
(当然、無視して好きな星神を選択するのも全然アリ)


収集要素関連

収集要素系は意外と優しいのかなと思いました。

本作はステージ中に隠された宝箱を集める収集要素がありますが、ステージセレクト画面で残り個数が可視化されている仕様。
個数のマーカー位置は配置順に並んでいるので、どこの宝箱を取ったかを把握していれば比較的集めやすいなと感じました。
たまに隠し扉や隠し通路があったりもしますが、この仕様のおかげである程度の探索範囲の絞り込みも可能。

宝箱取得状況はその場で更新されるので、取得後即リタイアでも状況が保持されているのはダレずに済むポイント。

ショップ関連も過度な稼ぎ作業までは必要ない感じかなと。これはプレイスタイルにもよる気はしますが…
逐次宝箱を埋めながら進みたい派だと困ることはあまりなかったです。


ストーリー関連

悪夢のような紙芝居世界

本作のメインビジュアルを彩るのは「紙」。
主要キャラには西洋の「魔女」関連を意識しながらも和柄があしらわれ、和のテイストが混ざった雰囲気。
本作の舞台は紙でできた世界だという設定もあり、ステージビジュアルも和紙やダンボール、果てはロール紙や紙幣などがデザインされ、徹底して紙を意識した作り。
ワールドマップに相当する部分は「ワールドブック」と呼ばれ、絵本を意識したビジュアル。最初は鉛筆で雑に塗りつぶしたようなページが広がっていますが、ステージをクリアして次ステージを開放することで本来の絵柄が戻っていく演出が挟まって特徴的。

色調は全編通して暗めで、BGMも暗めかつ美しいピアノ主体の音楽。紙を繋ぎ合わせて作られたアートワーク、激しいピアノ曲が合わさった暗い悪夢のような世界観が良かったです。

歪み切った「癖」の強いキャラクター

立ちふさがるボスキャラクター「マジョガミ」たち、彼女達はそれぞれの持つ感情を大幅に歪められた存在として現れます。
そのため言動は苛烈なものが多く、思考回路もなかなかにエキセントリック。癖(クセ)が強めです。

また、戦闘中のカットイン。特定の部位を強調する見せ方になっていて癖(ヘキ)を感じさせる作り。
Steam版の審査が遅れたのはこれが理由では…?

ストーリー雑記

アクションゲームではありますが、ストーリーはなかなかの文量で読みごたえがありました。(しかも全編フルボイス!)
むしろストーリーの合間合間でアクションパートが挟まってるんじゃないかと思う程の文量。


結び

ありとあらゆる面でとにかく「癖」の強いゲームですね。最初は少々難易度が高めかなという所もあり。
とはいえストーリーそのものはストレートに熱くて良かったです。暗い雰囲気、世界観が特徴的でありながらも最後は明るく覆す感じで読後の感覚が良好でした。

実のところ細かい点ではいくつか気になる箇所がないわけではないのですが、読了後トータルで考えると「いや、良いゲームを遊んだなあ」と思えてくるゲームでした。